金曜日 スタートラインにたとうとそたウサギさんは目を見張りました。
カメさんが仲間をたくさん連れてスタートラインに並んでいたのです。
「みんなで楽しく走ろうと思ってね。ウサギさんといくら争っても勝てる
わけはないから、僕の仲間をよんできて、みんなで走ろうと思ったんだ」
とカメさんは言いました。
「ああ、それは面白い考えだ」とウサギさんは思いました。もちろんウサ
ギさんは全力疾走をして先にゴールしたのですが、一人で先に待って
いるウサギさんは、寂しさを感じずにはいられませんでした。
それから何時間もたって、多くのカメさんたちがぞろぞととゴールインして
来たのです。みんなでおしゃべりをしながら、とても楽しそうに、ゆっくり
ゆっくりゴールインして来ました。
同じ競争をするのでも、こんなに楽しい競争の仕方があるのだ。同じよう
な仲間と走ったら楽しいではないか―ウサギさんはそう考え、今度はカメ
さんにこう提案します。
「明日もう一回走ってくれないかい」
カメさんはもちろん「いいよ」と答えました。
そして土曜日 6回目の駆けっこになります。
つぎはまた明日。