引き続き知人の堀さんのお話を紹介します
ここでのキーワード
そうか命って自分のものではないのだな
「この地球上に僕を待っていた人は一人もいないんだ」と思ったら死のうと決意した
誰かが自分を待っている
自分で自分を褒めちゃいました
■絶望からの出発
【堀】
僕は中学の時に何回も自殺をしました。親がいなくて親戚を
たらい回しになっていた預け入れ先のあるところで、非常に
ショッキングなことがありました。
堀というのは母親方の苗字なのですが、僕は爺さんの養子に
入ったのです。ある悲しい事件があり、爺さんに文句を言いに
行きました。
「爺さんがおふくろに結婚を許したから僕という人生がある、
どうしてくれるんだ!」って。
そしたら「お前のお袋が結婚したいって言った時にはもう
お腹に居たんだ」と。できちゃった結婚です。僕は色々なと
ころでイジメられました。
親も逃げていってしまって、この地球上で唯一の味方が爺さん
で心の拠りどころだった。
だからその時は僕がお腹に居るって分かった時、爺ちゃんは
僕の存在を初孫として喜んでくれると思ったんです。でもその
数秒後に「だから、お前を堕ろそうとした」と言ったのです。
爺さんはお袋を連れて病院に行ったのですが、お袋はヤダと
言って逃げたのです。
それを聞いた時「この地球上に僕を待っていた人は一人も
いないんだ」と思って死のうと決意しました。生きる意味が
分からなかった。
でも不思議なのですが何をどうやっても死ねない。飛び降り
たら下に車が来る。ガス管をくわえても不思議とガスが止まる。
どんなことをしても死ねない。
ちょうどその頃、近所のお爺さんが死にました。そのお爺さ
んは「もっと生きたい、もっと生きたい」と言っていました。
長生きは出来ないし、早くも死ねない。
「そうか命って自分のものではないのだな」
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とそこで初めて思いました。
命が自分のものだったら死ねるじゃないですか?
でも死ねないということは「僕の命は価値があるんだ!」
という結論が出たのです。
「誰かが自分を待っている」そう強く思いました。
それがビジョンの元ですね。
何々があるからがビジョンじゃなく「まずビジョンありき」
なんです。
出来るか出来ないか。「お前は偉いよ、賢いよ」と誰も褒めて
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くれませんでしたが、自分で自分を褒めちゃいました。そした
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ら色々と面白くなって来たのです。
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( 明日につづく )
出典元 月刊『貯徳時代』⇒ http://da-na.jp より 許可を頂いて抜粋