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社長ブログ 2018.06.08
今の時代はこれかな???

むかしむかし、ある若者が、お寺で観音様(かんのんさま)にお願いをしました。

「どうか、お金持ちになれますように」

 すると、観音様が言いました。

「ここを出て、始めにつかんだ物が、お前を金持ちにしてくれるだろう」

 喜んだ若者は、お寺を出た途端、石につまずいてスッテンと転びました。

 そしてそのひょうしに、一本のわらしべ(→イネの穂の芯)をつかみました。

「観音様がおっしゃった、始めにつかんだ物って、これの事かなあ? とても、これで金持ちになるとは思えないが」

 若者が首をひねりながら歩いていると、プーンと一匹のアブが飛んできました。

 若者はそのアブを捕まえると、持っていたわらしべに結んで遊んでいました。

 すると向こうから立派な牛車(ぎっしゃ)がやって来て、中に乗っている子どもが言いました。

「あのアブが、欲しいよう」

「ああ、いいとも」

 若者が子どもにアブを結んだわらしべをあげると、家来の者がお礼にミカンを三つくれました。

「わらしべが、ミカンになったな」

 また歩いていると、道ばたで女の人が、喉が渇いたと言って苦しんでいます。

「さあ、水の代わりに、このミカンをどうぞ」

 女の人はミカンを食べて、元気になりました。

 そしてお礼にと、美しい布をくれました。

「今度は、ミカンが布になったな

 若者がその布を持って歩いていると、ウマが倒れて困っている男の人がいました。

「どうしました?」

「ウマが病気で倒れてしまったのです。町に行って布と交換(こうかん)する予定だったのに。今日中に布を手に入れないと、困るのです」

「では、この布とウマを交換してあげましょうか?」

 若者が言うと、男の人は大喜びで布を持って帰りました。

 若者がウマに水をやったり体をさすったりすると、ウマはたちまち元気になりました。

 よく見ると、大変立派なウマです。

「今度は布が、ウマになったな

 そのウマを連れて、また若者が歩いていると、今度は引っ越しをしている家がありました。

 そしてそこの主人が、若者の立派なウマを見て言いました。

「急に旅に出る事になってウマが必要なのじゃが、そのウマをわしの家や畑と交換してもらえないかね」

 若者は立派な家と広い畑をもらって、大金持ちになりました。

 一本のわらしべから大金持ちになったので、みんなはこの若者を『わらしべ長者(ちょうじゃ)』と呼びました。

おしまい

「目の前のことを喜び受け入れる」かな。

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