テレビのお宝発見番組で、今でも立派な昔の蔵で雑貨店を営む83歳の女性店主の話を見ました。
そのお店は、“先祖が「ノコギリ商法」で財をなした”と言っていたので、早速、調べてみました。
近江商人たちは、行商へ行く先々で、「良い商品をより安く売る」という正直な商売をすることで、その土地の人たちの信用を勝ち得てきました。
また、彼らは売るだけではなく、その土地の作物や特産品も買うこともしていたのです。
これは、その土地の人達の信用を得ていく方法でした。
近江商人たちは、これを「ノコギリ商法」と呼んでいたのです。
関西地方の特産品を奥羽地方へ持って行って売り、それに合わせて、奥羽地方の特産品をその地で買入れて、江戸へ持って行き売る。
常に、手ぶらで帰るのではなく、今度は、江戸でしか手に入らないようなものを仕入れて、東北へ持って行く。
そして、東北でもまた特産品を仕入れて、関西へ戻って売るといった具合です。
しかも、その土地の生産者たちに喜んでもらえるような値段で、物を買い取って行きました。
これも近江商人の賢いところです。
現代も、運送会社がトラックの空荷で帰るのではなく、インターネットを利用して、帰りも荷を運ぶことをしています。
まさか、ネットを利用して「ノコギリ商法」をするとは、近江商人も思いもよらなかったでしょうね