今日は、ハーバード大学の成人発達研究所によるある研究のお話です。
1938年から80年余りの間、724人の男性を追跡しました。
休むことなく、仕事や家庭生活、健康などを記録。
つまり、人々を10代の頃から老年まで追いかけることによって、“幸福と健康の持続のため、本当に何が必要なのか?”を探索しようと始めた研究です。
724名の研究対象は、2つのグループに分けられました。
第一グループは、ハーバード大学の卒業生。
多くは第二次世界大戦に出征し、生きて帰ってきた人々。
第二グループは、ボストンの貧民街にいた少年たち。
1930年代のボストンは非常に貧しく、人生において不利な状況にいたため、被験者として選ばれました。
この長い時間の中で、被験者にはいろいろなことがありました。
当時、10代だった少年達は、大人になり様々な人生を歩んでいます。
工場労働者や弁護士、 レンガ職人や医師になったり、ある人は、アメリカの大統領になりました。
中には、アル中になった人や、統合失調症になった人もいます。
社会の底辺から、這い上がり成功した人もいますし、その逆も然りです。
これまでの研究から、以下の3つが分かったそうです。
1)周りの人との人間関係は、健康に良いということ
2)人間関係の満足度が、健康に影響するということ3)良い人間関係は、脳にも良いということ
彼らのデータを全て集めてみると、50歳のときのコレステロール値等とは関連性はなく、当時の人間関係の満足度で、予測されることが分かったそうです。
これは、50歳で最も幸せな人間関係にいた人が、80歳になっても、一番健康だったということです。
ミレニアル世代に「最も大切な人生の目的はなにか?」と調査をしてみました。
結果は、80%の人が富を持つことと答え、さらに、そのうちの50%が有名になることだと答えたそうです。
しかし、この研究から分かったことは、健康で幸せな人生は、富や名声とは関連性がなく、身の回りの人間関係に大きく影響されるということでした。